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地域への思い
2023.05.08 UP

地域で生きる、地域の役に立つとは、どういうことでしょうか。そもそも、企業の地域貢献とは何なのでしょうか。今回はそれを考えてみました。

貢献という名のジレンマ

最近よく耳にするSDGs。持続可能な社会に向けた取り組みが、企業にも求められています。特に、環境の分野では、地球温暖化の元となっている温室効果ガスの削減が叫ばれており、それが地域環境への貢献だ、というふうにとらえられています。

しかし、実際はどうでしょうか。少し考えてみましょう。

会社はこれまで、経済活動を行うことで地域に貢献してきました。でも、もっと便利に、もっと豊かにという旗印のもと、大量のモノを生みだしてきました。その結果、環境に負荷をかけざるを得ない状況になっています。

前回もお伝えしましたが、電気自動車はCO2を排出しない環境にやさしい車、と言われています。しかし実際には、車を作る工程で大量のCO2が発生しています。

環境への貢献という裏側には、こうした事情があります。ここから目を背けてモノづくりを続けていると、環境に貢献するどころか、環境により大きな負担をかけてしまいます。

では、どうすればいいのか。そのキーワードとなるのが「コト」です。

モノへの愛は地球を救う?

日本は古来より、すべてのものに命が宿っていると考えてきました。八百万の神という言葉が、それを表しています。日本人はもともと、モノの背後にある神々しさや想いを大切にしてきた民族だと言えます。

例えば、1つ1万円のお椀と、1つ1千円のお椀があるとします。値段だけで見ると、1万円のお椀のほうが価値があります。しかし、1千円のお椀は、お母さんから譲り受けた思い出のお椀だとしたらどうでしょうか。きっと多くの人が、1千円のお椀を大切に思うでしょう。そのお椀に値段の価値なんてつけられないと思います。モノの背後にある想いを大切にするというのは、こういうことだと思います。

光製作所では、モノを大切にすることを重視しています。それは、モノそのものというより、モノの後にある愛着であったり、感謝であったり、そういった「コト」を大事にしているからです。モノを大切にし、コトを豊かにすることで、限りある地球の恵みに感謝が生まれる。そう思っています。

コトのリレーを積み重ねる

地域貢献には、さまざまなカタチがあります。地域のゴミ拾いやボランティア活動、福祉活動など、方法はいろいろとあります。こうした活動を単に続けるだけだと、形だけの継続になってしまうのではないでしょうか。

私たちが本当にバトンタッチし、リレーしていきたいのは、その活動の背後にある想い、つまりコトだ、と私は思います。道路のゴミ拾いならば、次に道路を使う人に気持ち良く使ってほしいという想いが、本当にバトンタッチしたいものです。

では、私が地域でバトンタッチしていきたいものはなにか。滋賀県は、自然が豊かな地域です。ときどき子どもといっしょに、自然体験型のレジャーを楽しみますが、まさしくコトの固まりだと思います。自然に触れるうれしさ、いやし、喜び、ありがたさ。こうしたかけがえのないコトをリレーするために、滋賀県の自然を活かした事業をやれたらいい。いまそんなふうに考えています。

月1回、全12回更新
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