私は、光製作所の株式上場を考えています。それが社員のみなさん、ひいては会社にとってメリットになると考えているからです。なぜ上場なのか。それについてお伝えします。
光製作所が創業してから、およそ90年。100年企業に手が届きそうないま、私が上場を考えているのは、そうすることで、会社の質をさらに上げることができる、と思っているからです。
みなさんは、株式上場と聞いて、どんなイメージを持つでしょうか。大企業にしか上場はできない、と思っているかもしれません。でも実はそんなに高いハードルではありません。もう少しがんばったら手が届くところにあります。
上場すると、会社の株を、社員のみなさんにお渡しすることができます。そうすれば、株価が上がったとき、社員のみなさんにも利益を得ていただくことができます。株価が一円でも上がると、利益の額も大きくなるので、どうすれば会社の価値が上がり、株価が上がるか、一人ひとりが真剣に考えられると思います。
それだけではありません。株式上場すると、会社のステータスが上がります。社員のみなさんに「うちの会社は上場している」と胸を張って言っていただくことができます。
会社のステータスが上がると、真っ先に起こる変化が、採用ではないでしょうか。就職を希望する人が増えるのはもちろん、より意識の高い人材が来てくれるきっかけにもなります。
自分の想いを持ち、前向きに会社の成長を進めてくれる人材が仲間入りすると、社内に良い化学反応が起こります。これまでとは違う見方でさまざまな提案してくれるので、新しい風が吹き込まれます。
私を含めてずっと同じメンバーだけだと、同じような考え方に偏る可能性があります。でも、外から入ってくる新しい人材は、私たちとは違う経験をしています。その経験が、当社の社員の経験と混ざり合って、化学反応が起こります。
例えば、私たちが「それは無理だろう」と思うことでも、新しい人材からしてみれば「それは以前に経験したことがあるので、できます」と言ってくれます。そして実際にやってみたら、うまくいく。こうしたことの繰り返しが、組織の質をどんどん上げてくれます。
私は、上場は手段であり、目的ではないと思っています。光製作所が、本当の意味での幸せナンバーワン企業になることが目的であり、上場は一つの目標だと考えています。
先日、お取引先様に誘われ、15㎞を走る健康マラソンに参加することになりました。マラソンの経験はありましたが、4〜5年近く走っていなかったので、まず30分歩くところから練習をスタートしました。イヤだな…と思う日もありましたが、毎朝続けました。小さなことではありますが、これは私の成功体験でした。ソファに座ってだらっとしている自分と、玄関を開けて一歩外に出ていく自分とは、雲泥の差だと思いました。
マラソン大会当日は、どんなに速度が遅くなっても、決して歩かないと心に決めてのぞみました。そして、ゴールにたどり着くことができました。早く走るのが目的ではない。行きたいゴールに到達するのが目的。マラソンも会社の経営も、本質は同じなのかもしれません。
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