光製作所の人事評価項目には「愛」という項目があります。光製作所が考える「愛」とは何か。それをお伝えします。
「より良い製品を作り、相手の立場に立ち、顧客満足度を得るために、設備・器具を大切に扱い、要求品質のQCDに加えてプラスαの行動ができているか」
これが、光製作所の人事評価項目にある「愛」の内容です。評価するのが難しい、と言われますが、この内容にしたのには意味があります。
光製作所には、先代社長が考えた「買う人の身になって制作しよう」という社訓があります。お客様のことを考えたものづくりをしよう、ということです。「相手の立場に立ち、顧客満足度を得るために」というのは、それを表した言葉です。
「設備・器具を大切に扱い」というのは、道具を大切にする姿勢が、良いものづくりを実現するからです。ものを大切にすることは、環境にとってもやさしいことだと思います。
そして「要求品質のQCDに加えてプラスαの行動」とは、人への配慮を怠らない、という意味です。現場では、よくこう言われています。「次工程はお客様」。次の工程に仕事を送るとき、雑に送るのではなく、相手のことを考えて丁寧に送る。物を片手でポイと渡すのか、両手を添えて大切に渡すのかで、相手の気持ちよさが変わるのと同じです。
こうした「人や物への配慮」を、光製作所では「愛」と定義しています。
人への配慮を忘れてしまうとき、私たちはこんな考え方に陥っているのではないでしょうか。
「今だけ」「金だけ」「自分だけ」。
今が良かったらいいじゃないか、お金をもらえればいいじゃないか、自分だけよければいいじゃないか。そんな考え方が顔を出しているときだと思います。
でも、こんな考え方から出てくる行動は、きっと「愛がない行動」です。お客様を大切にするのはもとより、職場の仲間を大切にしよう、道具を大切にしようという身近なものへの配慮が、愛ある行動に結びついていきます。
私が30代のとき、こう言われたことがあります。
「ベテラン社員が始業前に工場を一周しているが、何をしているか知っているか?工場の環境が改善できているかを見ているんだ。これをするだけで、現場がスムーズに回る」
誰に言われるでもなく、それをしているベテラン社員には、愛があると思います。
光製作所の職場には、さまざまな国の人たちがいます。ブラジル、ペルー、インドネシア、カンボジア、中国etc…。多国籍企業並みだと思います。それぞれ、言葉も文化も違います。そのため、コミュニケーションが取りづらい面もあるでしょう。でも、相手に配慮し、理解することはできると思います。
私がいつも驚くのは、外国人実習生の「気づき力」の高さです。ちょっとしたことに気づいて、それを教えてくれます。現場をよく見てくれているのだと思います。これも愛の一つではないでしょうか。
同じ日本人であっても、メンタルが少し弱ってしまった人とは、普段通りのコミュニケーションができないかもしれません。でも、どんな状態であっても、光製作所にいてくれる。その根底には「ものづくりが好き」という共通の思いがあるのではないかと思います。
話やすい人、話しにくい人、いろいろな人がいますが、どんな相手であっても配慮できる、愛のある組織であってほしいと願っています。
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